ダイキンのエアコン 冷媒「HFC32」を採用

ダイキン工業は、地球温暖化への影響を抑えた冷媒「HFC32」を、今秋から発売する国内家庭向けエアコン全機種に採用すると発表した。


※冷媒・・・エアコンの室内機と室外機を循環することで、熱を移動させる物質。冷媒を圧縮して室温を上げたり、膨張することで室温を下げている。

エアコンの冷媒には、もともと1928年にアメリカで発明されたフロンが、
“安全な冷媒”ということで一般的に使用されていた。
しかし、フロンによるオゾン層の破壊問題が顕在化すると、
1987年、モントリオール議定書によりフロンに規制がかかり、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)といった特定フロンの使用ができなくなった。

その後、HFC(ハイドロフルオロカーボン)といった代替フロンが冷媒として利用されたが、今度は代替フロンによる地球温暖化に関する悪影響が顕在化。1997年の京都議定書によって、HFCも排出削減の対象物質に指定された。

それに比べ、今秋発売する国内家庭用向けエアコンに採用されている冷媒「HFC32」は、地球温暖化効果が少ないとされており、地球温暖化に対する効果を示す数値「温暖化係数」は、現在ダイキンが採用している冷媒「HFC410A」の「2090」に対し、HFC32ではそれよりも1/3少ない「675」となっている。

HFC32は、
エネルギー効率に優れ、機器使用時のエネルギーを節約することによる温室効果ガスも抑制できる。
さらに、
HFC410Aのような“混合冷媒”とは異なり、HFC32は単一の冷媒となるため、回収や再生といったリサイクルも容易にできるという。
ダイキンでは今後温暖化係数が少ない冷媒を用いた機器へ代替することなどを取り組むとしている。